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頭がいい犬種とは 頭の良い犬種ランキングTOP10と頭が良い犬・賢い犬の定義について

編集長

この記事では、「頭がいい犬種」と「賢い犬種」について詳しく見ていきます。これらのフレーズは一見似ているように思えますが、それぞれが指す内容は微妙に異なります。

「頭がいい犬種」とは、一般的に、犬種の学習能力や問題解決能力を強調するときに使われます。これらの犬種は指示を理解し、新しいコマンドを学ぶ能力が高いと評価されます。また、これらの犬種はしばしばトレーニングが容易で、服従性が高いとされています。

一方、「賢い犬種」とは、独自の問題解決能力や独創性、そして状況に応じて適応する能力をもった犬種を指します。これらの犬種は必ずしも人間の指示に従うことが得意であるわけではなく、自分自身で考え行動することができます。

つまり、この二つの言葉は、犬種の「知能」を測るための異なるアプローチを表しています。「頭がいい犬種」は人間からの指示を理解し実行する能力に重きを置き、「賢い犬種」は独立した思考と行動を重視しています。それでは、この記事を通じてそれらの定義について詳しく見ていきましょう。

Contents

「頭がいい犬種」と「賢い犬種」の定義と違いについて

「賢い犬種」と「頭がいい犬種」は、一見同じように思えますが、実際には異なる側面の犬の知能を指しています。

頭がいい犬種とは何か

「頭がいい犬種」は主に犬の学習能力と命令への服従度を指します。

つまり、新しい命令やトリックをどれだけ早く覚え、それをどれだけ確実に遂行できるかを表しています。

一部の犬種は非常に早く新しい命令を学び、それを長期間覚えておくことができます。これは通常、訓練のしやすさや作業犬としての能力を示しています。言葉は悪いのですが、言い換えれば人間にとって都合が良い犬を示します。

賢い犬種とは何か

一方、「賢い犬種」はより広範な犬の知能を示す可能性があります。

これには問題解決能力、適応性、独創性などが含まれます。

例えば、ある犬種は新しい命令を覚えるのに時間がかかるかもしれませんが、複雑な問題を解決する能力や独自の解決策を見つける独創性を持っているかもしれません。

これらの特性は犬が新しい状況にどのように適応し、独自の思考を通じて問題を解決できるかを示しています。

一方で、賢いがゆえに人間にとって、特に家庭犬としては、必ずしも良い犬にならない可能性があります。自立心があり、甘やかす飼い主を見極め自分に従うようコントロールしようとします。

 

したがって、犬の知能を評価する際には、その犬がどのような知能を持ち、それがどの程度重要であるかによります。特定の犬種が他の犬種より「賢い」かどうかは、その犬種がどの知能をより強く持っているか、またその知能が飼い主にとってどれだけ価値があるかによります。

以降では、頭がいい、賢い犬種について詳細に説明します。

「頭がいい犬種」の評価基準

“頭がいい犬種”を評価する基準は多岐にわたります。その中でも最も有名な評価基準は、スタンレー・コレン博士が提唱した犬の知能ランキングです。

スタンレー・コレン博士の知能ランキングについて

スタンレー・コレン博士*は、世界的に認知された犬の行動学者で、彼が提唱した知能ランキングは、犬の知能を評価する一般的な基準となっています。彼のランキングは、犬の「本能的知能」、「適応知能」、「服従および学習能力」の3つのカテゴリに基づいています。

スタンレー・コレン博士とは

1942年、米ペンシルベニア州フィラデルフィア生まれ。ペンシルベニア大学卒業、スタンフォード大学で博士号取得。カナダ、ブリティッシュ・コロンビア大学心理学部の教授。

また、犬の愛好家であり、犬の行動に関する研究も行なうかたわら、愛犬と一緒にカナダの数々の訓練競技会に参加し、多くの賞を得ているとのこと。

研究分野

  • 人間の感覚過程(視覚や聴覚)
  • 神経心理学(利き手、睡眠、出生ストレス効果や行動遺伝学)
  • 認知(情報処理知能)

など

著書

  • 『睡眠不足は危険がいっぱい』
  • 『デキのいい犬、わるい犬─あなたの犬の偏差値は?』
  • 『理想の犬の育て方』
  • 『犬があなたをこう変える』

(すべて文藝春秋)など

全米ドッグ・ライターズ協会からマックスウェル賞を授与されている。

本能的知能、適応知能、服従および学習能力について

本能的知能

これは犬種固有の能力やスキルを指します。たとえば、牧羊犬は牧羊の能力が、猟犬は狩りの能力が、警護犬は人間を守る能力が本能的に備わっています。

適応知能

これは新しい状況や問題にどれだけ適応することができるかを示します。適応知能が高い犬種は、新しい環境や状況にも早く適応し、問題解決にも優れています。

服従および学習能力

これは新しいコマンドを理解し、それを実行する能力を指します。高い服従性と学習能力を持つ犬種は、トレーニングがしやすく、新しい指示をすぐに理解することができます。

これらの3つのカテゴリは、それぞれ異なるタイプの「知能」を評価します。

そのため、「頭がいい犬種」を求め選ぶ際には、これらの評価基準を参考に、自分のライフスタイルや期待に最も適した犬種を選ぶことが重要です。

頭が良い犬種ランキングTOP10

133犬種に及ぶ作業・服従知能から犬がコマンド(指示)を理解する能力を導き出しそれをランキング化したものです。注意点としては、すべての知能・能力を考慮したものではないということです。

1位 ボーダーコリー

この犬種は非常に活発で、素晴らしい学習能力と適応性を持っています。

それらは本能的に羊を牧羊する能力を持ち、その高い適応知能と学習能力により、多くの複雑なタスクを学ぶことができます。スポーツドッグとしても非常に優秀で、様々な競技に用いられることの多い犬種です。アクティブかつ、トレーニングに長けた飼い主には、ぴったりの犬種といえます。

メガネ犬編集長
メガネ犬編集長
ディスクドッグ(フリスビー)・アジリティーの大会などを見に行くと、かなり多くボーダーコリーを見ることができ、運動神経の高さ、コマンド実行の正確さには驚かされます。個体差はあるものの、頭の良い犬の代表格として挙げられる犬だなと思わされます。興味のある方はぜひ動画などで、かっこいいいボーダーコリーをご覧になってください。

2位 プードル

プードルは非常に知性が高く、新しい命令や技を素早く学ぶことができます。彼らはその高い適応知能と学習能力で知られています。

この知性の高さは、大型・中型に属するスタンダードプードル以外のトイプードルなどトイプードル全般にいえます。知性の高さと愛らしさが、家庭犬として大人気である理由といえます。

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3位 ジャーマン・シェパード

この犬種は労働犬として広く知られており、高い本能的知能、適応知能、そして学習能力を持っています。彼らは人間とともに行動し、指示を的確にこなす警察犬や救助犬としての仕事に特に適しています。

4位 ゴールデン・レトリバー

この犬種はその友好性と学習能力で知られています。彼らは特に新しい技や命令をすばやく学ぶことができ、性格的にも温和な個体が多く、訓練が非常にしやすいです。

5位 ドーベルマン

ドーベルマンはその高い警護能力と学習能力で知られています。彼らは本能的に自分の家族を守る能力を持ち、新しい命令や技をすばやく学ぶことができます。警察犬・番犬などに非常に適しています。

6位 シェットランド・シープドッグ

この犬種はボーダーコリーに似た能力を持っており、非常に高い適応知能と学習能力を持っています。彼らは本能的に羊を牧羊する能力を持っています。

7位 ラブラドール・レトリバー

ラブラドール・レトリバーは友好的で、新しい命令や技をすばやく学ぶことができます。彼らは特に家族と子供たちとの相性が良いとされています。

8位 パピヨン

この小型犬種は、そのサイズに反して非常に高い学習能力と適応知能を持っています。彼らは新しいコマンドをすばやく理解し、さまざまな環境や状況に迅速に適応することができます。また、彼らは非常に社交的で、人間と他の動物との相互作用を楽しむ傾向があります。

9位 ロットワイラー

ロットワイラーは元々護送犬として育てられた歴史を持ち、強い本能的知能と高い学習能力を備えています。彼らは非常に守護心が強く、訓練が適切に行われれば、家族を守るための優れたパートナーとなります。

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10位 オーストラリアン・キャトル・ドッグ

この犬種は元々牛を牧するために育てられた歴史を持ち、その結果、高い本能的知能と学習能力を備えています。

彼らは一貫して一定の活動レベルを維持することが必要で、適切な訓練と社会化が施されれば、忠実で一貫したパートナーとなります。

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賢い犬種の定義

「賢い犬種」は、しばしば「頭がいい犬種」と混同されますが、少し異なる観点から犬の知能を考えるためのものです。

「賢い犬種」とは、問題解決能力、社会性、独創性、学習能力など、多くの指標を基にその賢さが評価される犬種のことを指します。

ですので、頭が良い犬種ランキングとはコンセプトが違うと言えます。

これらの指標は、一般的には「頭がいい」と考えられる要素を超えて、犬がどれだけ人間の世界に適応し、コミュニケーションをとる能力があるか、または新しい状況や問題にどれだけ効果的に対応できるかという視点から犬の知能を捉えます。

例えば、問題解決能力とは、犬が新しい状況や未知の問題を遭遇したときにどれだけうまく対応できるか、または既知の方法を使って新たな解決策を見つけることができるかということを評価します。一方、社会性は、犬が人間や他の動物とどれだけうまく相互作用できるかを評価します。

このように、「賢い犬種」の評価は、単純にコマンドをどれだけ早く学べるかという「頭がいい犬種」の評価とは異なり、犬の知能のより広範な評価を可能にします。

それぞれの犬種がこれらの各指標にどのようにパフォーマンスするかは大いに異なるため、賢さの基準は飼い主の個々のニーズやライフスタイルによっても変わるかもしれません。

このことから、賢い犬種は、とても優秀な犬種ですが、初めて犬を飼うには向かない可能性もあります。例としてこの犬種に上げられるのは、牧羊犬、狩猟犬などです

など

頭がいい犬ランキングTOP10に入る犬の多くが、賢い犬とも被っています。これらの犬種は、しばしば自分自身での判断を必要とする場面があるためトレーニングを覚える「頭の良さ」以外に「賢さ」が必要とされます。相当な知能を持った犬種といえます。

犬の知能を引き出すトレーニング方法

犬は本能的に知能を持っていますが、それを引き出し、活用するためには適切なトレーニングが必要です。

犬は、人間の言葉を165単語程度、また4~5つの数字までを認識できるといわれていることから、人間の2〜3歳程度の知能を持っているといわれています。

そうしたことから、犬種として優秀でないとされている犬、あるいは知能が犬種としては確認されていないミックス犬、雑種犬であっても秘められた知能を引き出すことが可能です。

以下に、有効なトレーニングテクニックと犬の知能を最大限に引き出す方法を紹介します。

有効なトレーニングテクニックと犬の知能の発達

ポジティブリンフォースメント(Positive Reinforcement)

犬が望ましい行動を示した時に、それを褒めたり、ご褒美を与えたりすることで、犬はその行動が良い結果をもたらすことを学びます。これは行動の連鎖を作り出し、犬が問題解決スキルを発展させるのを助けます。

コンシステンシー(Consistency)

犬が何が期待されているのかを理解するためには、一貫性が必要です。

同じコマンドや行動に対して一貫したフィードバックを提供することで、犬は自分の行動とその結果との間の関連性を学びます。

パズルトイや知能ゲーム

犬は物理的な運動だけでなく、精神的な刺激も必要とします。

パズルトイや知能ゲームは、犬の問題解決能力を鍛え、適応性と独創性を発展させます。

犬の学習能力を最大限に引き出す方法

早期教育

犬の学習能力を最大限に引き出すためには、早期から教育を始めることが重要です。

子犬の時期は、新しいスキルや行動を学び、それらを長期的な記憶に変える最適な時期です。子犬の時期は、トレーニングと肩ひじを張らず遊びの延長線上で行うことが大切です。

繰り返しと強化

コンシステンシー(Consistency)の部分で説明した内容になります。

犬が新しいスキルを学び、それを記憶に留めるためには、繰り返しと強化が必要です。新しいコマンドを練習する際には、犬がそれを理解し、それに対応する行動を身につけるまで続けることが重要です。

個々の犬種の特性を理解する

犬種によっては、特定のタイプのトレーニングや学習スタイルに向いている場合があります。よりアクティブなトレーニングを好むもの、体力的に短時間が望ましい小型犬・超小型犬、短期集中で覚える犬などがいます。

まとめ

本記事では、犬の知能とその評価基準、ならびに「頭がいい犬種」や「賢い犬種」の定義とランキングについて詳しく説明してきました。

「頭がいい犬種」はスタンレー・コレンの知能ランキングにより、本能的知能、適応知能、服従および学習能力を測定します。一方、「賢い犬種」は独自の評価基準を用い、問題解決能力、社会性、独創性、学習能力など多様な知能を重視します。

しかし、それぞれの犬種の知能は一概には評価できず、個々の犬の性格や経験にも大きく影響されます。

また、知能だけで犬を選ぶのではなく、性格やサイズ、活動レベルなど、飼い主のライフスタイルに合った犬種を選ぶことが最も重要です。

飼い主が犬との関係を深めるためのアドバイス

愛情と尊重

犬は家族の一員です。彼らには愛情と尊重を示すことが大切です。そのためには、犬の気持ちを理解し、犬の立場から物事を考えることが必要です。

適切なトレーニング

犬は適切なトレーニングを受けることで、その知能を最大限に引き出せます。ポジティブリンフォースメントを用いたトレーニングが効果的で、犬の学習能力を向上させます。

適度な運動とメンタルスティミュレーション

犬は体を動かすことを愛し、また精神的な刺激も必要とします。日々の散歩や遊び、知能ゲームなどを通じて、犬の身体と心を健康に保つことが重要です。

健康管理

犬の健康を保つことは、犬との関係を深める上でも大切です。定期的な健康チェック、適切な食事、必要なワクチン接種などを行うことで、犬の健康を維持できます。

コミュニケーション

犬は飼い主の感情や行動を敏感に察知します。そのため、明確で一貫したコミュニケーションは、犬との理解関係を深めるために不可欠です。犬の行動や反応を観察し、そのサインを理解することで、より良い相互理解が生まれます。

以上のアドバイスを実践することで、犬との関係をより深めることができます。

そして、飼い主と犬の絆が深まることで、犬自身の知能や能力がさらに引き出され、犬との生活がより豊かで楽しいものになるでしょう。

「頭がいい犬種」と「賢い犬種」に関してのよくある質問 Q&A

Q1: 「頭がいい犬種」と「賢い犬種」は何が違うのですか?

A1: これらはしばしば同じように扱われますが、実際には異なる概念を指します。「頭がいい犬種」は、通常、犬の学習能力や訓練への適応性を指し、その指標としてはコマンドの理解や服従などがあります。一方、「賢い犬種」はより広範で、問題解決能力、独創性、社会性など、犬の様々な知的能力を含んでいます。

Q2: 犬の知能はどのように評価されますか?

A2: 犬の知能は、本能的知能、適応知能、学習能力と服従の3つの主要な側面から評価されます。これらはスタンレー・コレン博士の研究に基づいています。

Q3: どの犬種が最も「頭がいい」ですか?

A3: スタンレー・コレン博士の研究によれば、最も頭がいいと評価された犬種はボーダーコリーです。ボーダーコリーは非常に速く新しいコマンドを学び、高い適応知能を持っています。あくまで犬種という枠組みであり、個体差があります。

Q4: 頭がいい犬種は訓練が容易なのでしょうか?

A4: 必ずしもそうとは限りません。頭がいい犬種は学習能力が高いという意味ですが、独立性や頑固さを持つ犬種もあり、それが訓練を難しくすることがあります。

本来頭がいい犬が、命令を聞かない犬と評価されることがありますが、飼い主の指導能力野問題や、飼い主との関係性の問題、過去のトラウマなどの外的要因が原因であることがあります。

編集長
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Q5: 自分の犬の知能を高めることは可能ですか?

A5: 犬の知能を一定の範囲内で引き出すことは可能です。これには、一貫した訓練、社会的な環境、適切な刺激、そして何よりも愛情深いケアが必要です。それにより、犬の学習能力を最大限に引き出すことができます。

得手不得手は、人間同様にありますので、人間の期待するものに応えられない場合も愛情、忍耐、一貫したトレーニングにより克服できるケースも多々あります。

ABOUT ME
メガネ犬編集長
ペット関連仕事についていた経験から編集長に就任。犬も猫も小動物も爬虫類も大好きです。 現在妻、息子、犬1、猫4、メダカ5匹と暮らしています。 目下の悩みは老猫の病気のケアです。