猫の嘔吐 緊急性を見分けるポイントと猫がフードを吐く6つ理由と原因 

猫の飼育の初心者の方は、猫がフードを吐いてしまうと、驚き困惑してしまうことがあります。
実は、人間や犬と違い、猫は嘔吐しやすい動物なので、生理現象として吐くこともあるのです。そのため、嘔吐の原因が病気とは限らないのです。
一方で緊急性のある嘔吐もあり一定の知識を飼い主がもち、どうすべきか判断する必要があります。
今回は、嘔吐の緊急性を見分けるポイントとよくありがちな猫がフードを吐く理由と原因についてまとめてみました。

猫がフードを吐くのは、病気ではないことも多い

猫の嘔吐は生理現象として起こることも多く、病気でないことも多い現象です。
例えば、食べ過ぎ、胸やけを起こした場合に余分な胃酸を吐き出そうと草を食べ自ら吐く、毛玉がたまったので吐くなどがよくあるケースです。

ただ、飼い主としては非常に不安なことでもあります。
そこで病院に連れて行かず、様子見をして良いかどうかの判断は、以下ののポイントを目安としてみてください。

✓1元気があり、普段通り行動している
✓2嘔吐物に血や見慣れない異物はない
✓3元々吐いていることを見かけたことがあり、頻度は週に1回程度
✓4フードは吐いたが、食事を欲しがり、食欲の低下は見られない
✓5下痢はしていない

すべてに当てはまるようであれば、様子を見てもよいでしょう。しかし、症状に変化があった場合は、すぐに病院に連れて行きましょう。

危険な6つの嘔吐症状

猫が吐くのは普通のことですが、病気や異常を示す嘔吐の後の危険な嘔吐症状は、先ほど紹介したポイントの逆の場合となります。

1.元気がない

吐いた後に、あまり動かなくなる、いつもよりも長く寝ている。フードや呼びかけに反応が薄いといった状況です。
脱水症状や、衰弱している可能性もあり、病気の可能性もあります。

2.何度も繰り返し吐いている

一回程度の嘔吐であれば心配はありませんが、食事毎に嘔吐をする、短時間に複数回嘔吐をするといった症状です。

3.吐いたものに血や異物が混ざっている

胃液や食べたフード以外の異物が混じっている場合、血が混じっている場合です。
病気や異物誤飲が疑われます。

4.吐こうとしているのに、何も出てこない

口を大きく開け、嘔吐しようとしているのに何も出てこないケースは誤飲で何かが引っかかっている可能性が考えられます。

5.下痢、食欲不振、痙攣している

下痢、食欲不振、痙攣など明らかな異常な症状がでている場合は即動物病院に連絡し、通院しましょう。

6.他の症状を伴う便臭や薬品臭など、吐いたものに異臭がする

便秘などの胃腸の異常などにより嘔吐物に異臭があるケースがあります。症状が進んでいる可能性もあり即動物病院へ行くことをお勧めします。

嘔吐物の色・形状と考えられる症状

色・形状 考えられる原因・疾病
茶色・未消化のフード 早食いによる嘔吐、毛玉を吐くなど
黄色・液体 来十二指腸に分泌される胆汁の逆流。空腹による嘔吐に多い症状
頻度が多い場合は、胆汁嘔吐症候群の疑い有
透明・液体、白い泡状 胃液の逆流。空腹による嘔吐に多い症状
吐しゃ物が胃液のみで元気であれば、特に大きな問題はない。
ただ、頻発すると、食道や胃があれるため、出血することもある。
ピンク、赤・液体 胃や食道、または歯茎など口からの出血。胃より深い部分の内臓からの出血は黒くなる。
猫回虫症や異物の誤飲もあり得る。吐しゃ物を確認し、虫・異物がないか確認が必要。どちらにせよ出血を伴う嘔吐は病院に相談したほうが良い。
暗赤色,薄い黒・液体 胃や十二指腸での潰瘍などによる出血。
まれに激しい便秘で、小腸からの出血で黒い便臭のする嘔吐物を吐くこともある。

猫がフードを吐く6つ理由と原因

猫が吐く理由は大きく6つあります。1~3はありがちな理由で緊急性はさほど高くなく、様子を見たり、自宅での改善も可能です。4~6については必ず獣医師に相談することをお勧めします。

1.胃に溜まった毛玉を吐くため

猫は、グルーミングすることで胃の中にたまった毛玉を、定期的に吐き出すことがあります。とくに長毛種の猫は、舐めとる毛の量が短毛種の猫より多くなるため、毛玉を吐く回数や量が多くなるでしょう。
換毛期などに吐く回数が増えるようであれば、ブラッシングの回数を増やしたり、毛玉をコントロールできるフードに替えてみたりして、吐く回数を減らす工夫をしてください。
ただあまりにも頻繁な場合は毛球症の可能性もあり、一度病院で検査を行ったほうが良いでしょう。

2.フードが合わない

フードの質の善し悪しではなく「あるタイプのフードだけは吐いてしまう」ということもあります。
この場合は別のフードを試してみて、猫に合っているかどうかをみてみましょう。
また、猫は喉に違和感を覚えたりむせたりした場合にも、フードをそのまま吐くことがあります。フードを吐き戻す場合は、形状や大きさがその猫に合っていない可能性もあります。

3.早食い・食べ過ぎで消化がうまくいかなかった

猫は、勢いよくフードを食べたあとや、食べ過ぎたときに吐くことがあります。
食べるのが好きな猫は、急いで食べるあまりフードを噛まずに丸呑みすることがありますが、丸呑みしたフードに消化が間に合わないことが原因で吐いてしまうことも。また、フードの種類によっては、食べたあとに大量の水を飲むことでフードが胃の中で膨らみ、吐く原因につながることもあります。

4.ストレス

猫はストレスを感じると吐くことがあります。同居ペットが増えた場合や引っ越しなどの環境の変化は、猫にストレスを与える原因になります。猫の生活環境を考え、できるだけ快適に過ごせるような工夫をしてあげましょう。

5.病気

胃腸炎やすい炎、腎臓病、肝臓病といった病気が原因で吐いたり、食物アレルギーや中毒、寄生虫、熱中症などでも吐いたりすることがあります。
いずれの場合も自己判断せず、早急に獣医師に相談しましょう。

嘔吐を伴う病気の例)

・毒物や猫が食べさせてはいけないものを与えた場合に起こる中毒症状
・パルボウィルス等の感染症
・胃や腸の捻転(ねじれ)や閉塞(つまり)
・子宮蓄膿症
・熱中症
・胃、腸、膵臓、肝臓、胆嚢などの炎症や腫瘍
・腎臓の機能障害(腎不全)等
・食物アレルギー
・内分泌(ホルモン)の疾患
・慢性的な便秘

6.異物の誤食

フード以外のものを飲み込んでしまうと、それを体外へ出そうとして吐く場合があります。おもちゃに付いた飾りや輪ゴム、アクセサリーなどは、猫が誤食しやすく、中でも特に多いのが、ヒモ状のものです。「シルエットがヘビや小動物の腸に見えるから」と考えられていますが、胃腸内で絡まると、臓器の炎症や壊死につながる場合があるので注意が必要です。
吐いて体外に排出できればいいのですが、体内に留まった場合は切開手術が必要になるケースもあります。

動物病院に行く前の準備

猫の不調を感じとり、いざ動物病院に行こうとおもった場合準備すべき内容は以下です。

1.嘔吐の状況の説明をできるように情報をまとめる

 ①いつから、どこで、吐いた場所、吐いた回数、嘔吐物の色、特長、吐いた後の様子
 ②嘔吐以外の症状(下痢・痙攣・元気減退など)
 ③アレルギーの有無、誤飲の可能性(おもちゃのひもがちぎれていたなど)、過去の傷病歴(初めての通院の場合)

2.事前連絡

 1)をざっと説明し、指示を仰ぐ。緊急性があれば、別の救急外来専門病院をすすめられることもあある。

3.嘔吐物・排泄物の持ち込み

 ビニールなどで一部を持ち込む。あるいはジップロックだと密閉性もありなおよい。

4.獣医師の指示に従い治療・経過観察をする

触診・レントゲン・CTでの内臓の確認や血液検査での出血などを確認。また、吐しゃ物からも原因を特定を行う。

まとめ

吐くことは猫の生活の一部であり、日常的な光景とも言えますが、病気や事故の可能性もあります。
猫は、人間と違い言葉で異常を訴えることはできませんが、普段からよく観察をしていれば、元気の減退や嘔吐物の異常に気が付くことができます。
猫の病気やケガの症状は人間よりも早く進行します。そのため初動が遅れると、ケースによっては死亡につながることもあります。
今回の記事が、猫の嘔吐の異常発見に役立てれば幸いです。