猫とは 猫の歴史や身体的特徴、習性、猫種のグループ、出産・発情について

猫とは

現在日本に置いての飼育頭数は2017年ペットフード協会調査によると、ネコ952.6万頭、イヌ892.0万頭となり、同調査が開始されてから初めて逆転し犬を超え、Facebookやtwitter、youtubeなどのSNSでも大人気のペットです。

今やポピュラーなペットの代表格にもなっている猫ですが、その起源や歴史については、犬ほど知られていません。
今回は、そんな猫の歴史や身体的特長、猫種についてまとめてみました。

猫とは

猫とは元々野生のヤマネコが家畜化された「イエネコ」のことを指し、その起源は、食肉目ネコ科ネコ属に分類されるヨーロッパヤマネコの亜種リビアヤマネコといわれています。

猫の歴史

イエネコは上記の通りリビアヤマネコが起源といわれこれはDNA解析によってはっきりしています。

世界のイエネコ計979匹をサンプルとしたミトコンドリアDNAの解析結果により、イエネコの祖先は約13万1000年前 更新世末期〈アレレード期(英語版)に中東の砂漠などに生息していたヨーロッパヤマネコの亜種リビアヤマネコであることが判明。

「2007年6月29日の米英独等の国際チームによる『サイエンス』誌(電子版)への発表」

猫好きの方であれば猫はもともと砂漠に住んでいたという話は聞いたことがある方も多いと思いますが、これは、きちんとした調査の結果分かったことなのです。

なお、さらに先祖を遡るとイエネコを含む猫類たちの祖先は、イエイヌや犬類と同じなのです。

犬猫の祖先と言われているのは、「ミアキス」という約6000万年前の樹上生活をしていた中型肉食獣で、このミアキスの特性に近いまま、約2500万年前の漸新世に生息した最初のネコ科動物である「プロアイルルス」が誕生します。ネコはプロアイルルスから進化した種と言われています。また、樹上生活を捨て、平原に出て集団狩猟を行い進化し、派生していったのがイヌとされています。

猫が家畜化された経緯

犬は、人間が狩猟で主に食物を獲得していた時代から、猟犬や番犬として人間社会に組み込まれていました。その中で人間から食べ物を分け与えられ暮らしていました。

一方で猫は犬とは違い狩猟時代の人間とは協力関係にはなくむしろ獲物を取り合うライバルに近く、このころの人間にとっては害獣でした。

ただ、人間が農耕を始めてからは、立場が変わったと考えられています。農耕により、育てた穀物などを一定期間保管することが出来るようになり生活が安定した反面、ネズミなどの小動物の食害にあってしまうというリスクを抱えました。犬では追い払切れないネズミなどの小動物に対し猫は有効で、かつ、穀物に手を付けないことから、飼育されたと考えられています。

元々は、ウサギやネズミを狩っていた猫が、ネズミが多く集まる穀物貯蔵庫を見つけ、わざわざ危険を冒し狩りに行く必要がないため、住み着いたのではないかと考えられています。害獣駆除に困っていた人間にとっては渡りに船で、しかも穀物に手をつけることはないということから大切に扱われ、ネズミが駆除されたあとも餌を与えるなどして家畜化し、害獣被害に備えたのではないでしょうか。農耕の広がりとともに、安定した繁殖基盤を得た猫も世界に広がっていったと考えられます。

また、初めて家畜化されたのは、紀元前3000年ごろのエジプトと言われ、さらに古い飼育例としては約9500年前のキプロス島の遺跡で見つかっています。

その後もネズミから穀物を守る益獣として航海に人間とともに行ったり、紙が発達してくると聖書や経典など宗教上重要な書物をかじる害獣から守るためにも重宝され、容姿の愛くるしさから愛玩動物としても扱われ人の手で繁殖が行われ、現在に至ると言われています。

世界的に見ても、欧米を含め人気のペットでアメリカでの飼育頭数は6000万頭ともいわれています。また、イスラム圏でもムハンマドは猫を愛したというスンナ(主にイスラームにおける預言者ムハンマドの言行・範例)が残されている非常に尊ばれています。

日本での猫の飼育の始まり

弥生時代の遺跡からネコの遺骨が見つかった事例があり、紀元前から猫は存在していた可能性があります。ただし,考古資料において猫が初めて出てくるのは「日本霊異記(日本国現報善悪霊異記)(822年成立 上中下巻、116話)」が最初と言われています。

家畜化された日本猫の起源は諸説ありますが、経典など紙を守る益獣として中国より入ってきたのが最初ではないかと考えられています。

猫の身体的特徴

イエネコの体の大きさは体重が最も小さいと言われるトイボブで2kg前後、最も大きなネコであるメインクーンだと8kgから10kg程度です。最も小さいものと大きなものでも5倍とイエイヌと比べると、その大きさの幅は小さいと言えます。

全体的に丸いフォルムと丸い目、しなやかな体と四肢が特徴です。一部の猫種を除き、耳が大きく、長毛・短毛、被毛の色以外は個別猫種で容姿については大きな差はありません。

長いひげも犬と比べれば特徴的といえます。このひげは飾りではなく、閉所で幅を確認するなどの感覚器として存在していると言われています。

猫種と外見的な特徴

猫は被毛の長さで短毛種と長毛種に分けられ、被毛以外にも特長がある猫が数種類存在しています。

代表的な短毛猫種

アメリカンショートヘアー、ロシアンブルー、アビシニアン、シャムなど

代表的な長毛猫種

メインクーン、ノルウェイジャンフォレストキャット、ソマリ、ラグドールなど

身体に特徴がある猫種

ペルシャ(長毛、鼻が平坦)、エキゾチック(鼻が平坦)、スフィンクス(無毛)、スコティッシュフォールド(耳が垂れている)、アメリカンカール(耳がカールしている)など

このようなざっくりとした種別以外に、地域差や各地のブリーダーの繁殖計画によって筋肉の付き方などが違うため、以下のような6種のグループに分けられています。

猫の体格の種類 特徴 代表的な猫種
コビー ・筋肉質でしっかりとした体型

・四肢や胴は短く、尻尾も短い

・足先が丸い

・顔は丸みがあり、耳は小さい

「ずんぐりむっくり」な体形な猫が多く、長毛種も多い。

バーミーズ、ヒマラヤン、マンクス、エキゾチックなど
セミコビー ・その名の通り、コビーに近い特徴を持つ

・ただし、四肢や胴体、尻尾がやや長い

有名猫種が多く、一般的にイメージする猫はセミコビーといえる。

アメリカンショートヘアー、ブリティッシュショートヘアー、スコティッシュフォールド、シンガプーラなど
オリエンタル ・四肢、胴体が長い

・逆三角形の顔で耳が大きく、顎が小さい

・尻尾が細い

全体的に細く、しなやかな四肢を持つ猫が多い。コビーとは対極の魅力を持つ猫が多いグループ

シャム、オリエンタル、ピーターボールド、バリニーズなど
フォーリン ・体は細いが筋肉質

・逆三角形の顔で耳が大きい

南方タイプと呼ばれる暖かい気候に適応した猫で短毛種が多いグループ

アビシニアン、ロシアンブルー、ジャパニーズボブテイルなど
セミフォーリン ・体はやや小さく細身だがフォーリンに比べしっかりした体格

・逆三角形の顔だがやや丸みがある

丸いフォルムのコビーと最も細いオリエンタルの中間体形のグループ

ソマリ、マンチカン、スフィンクス、エジプシャンマウ、トンキニーズ、アメリカンカール、など
ロング&サブスタンシャル ・胴・四肢共に大きく長い

・骨が太く、筋肉質

・大型猫種のグループ

寒冷地域の猫種が多く、10kgを超えることもある大型猫のグループ

メインクーン、ノルウェージャンフォレストキャット、バーマン、ラグドール、オシキャットなど

身体能力(視覚・聴覚・嗅覚)

目(視覚)は8m程度であれば獲物の識別が可能で、20mまでであれば、距離感を把握することができ、暗視が効くといわれています。視覚が猫の身体能力で最も優れていると考えられることが多いようですが実際はの聴覚が最も優れた能力です。

聞き取れる音域(可聴周波数)は犬よりも高く、耳の可動域も広く別々に動かすこともできます。これは小動物を狩る為に発達したと考えられています。

嗅覚については、特別他の動物と比べ優れているわけではありません。ただ人と比べれば小さな鼻にも関わらず、数万から数十万倍の嗅覚をもっといると言われています。

運動神経について

猫は優れた平衡感覚と跳躍力があり、木や壁、室内では棚などの高所に登ることを好みます。室内での飼育は、高所を用意することが猫のストレスを減らすことになります。

また後ろ足、前足にはかぎ爪を備えており、自由に出し入れができます。この武器を使い、高所の鳥や小動物を待ち伏せし捕食します。イエネコでも同じ特性を持つため、鳥、小動物などと暮らすことは避けたほうがいいでしょう。

猫の知能はどの程度か

犬と比べると知能が劣るような認識をされる方もいるが実際は、人間に対して従順かどうかの差しかないともいわれています。従順という意味では犬には劣りますが、人間とのコミュニケーション能力は高く、人語も短い単語であれば理解することもあります。

猫のかかりやすい病気

猫のかかりやすい病気は年齢によって異なりますが、国内最大手のペット保険会社アニコム損保 の65,305匹 受診割合のデータによると、以下の病気は共通して多く見受けられるようです。

・泌尿器の疾患(「膀胱炎」「尿石症」「腎不全」)

・消化器の疾患(「胃腸炎」)

特に命にかかわる腎不全が猫に多いのは、血液中の「AIM」というたんぱく質が働かないためである事が東京大学大学院医学系研究科などのグループによる研究が2016年の英科学誌サイエンティフィック・リポーツ電子版に掲載で発表されています。

原因が究明されたため、腎不全を改善・予防する“AIM製剤”が数年後には実用化される見通しとなっており、さらなる長寿化が進むと考えられています。

伝染病

ネコにはいくつかの不治の感染症があります。経口感染などが多く、完全室内外の猫を外に出さない方が良い理由も野良猫との接触によるこれら感染症が挙げられます。

猫免疫不全ウイルス感染症

猫免疫不全ウイルス (FIV) 感染を原因とする感染症で母子感染、喧嘩により感染します。特別な治療法はありませんが、発症しない限りは、普通のネコと変わりがありません。

一般的に猫エイズと言われる病気は猫後天性免疫不全症候群といい、猫免疫不全ウイルスの病態の一つです。

猫白血病ウイルス(FeLV) 感染症

感染している猫の唾液や涙、血液などに含まれたウイルスの経口感染。FeLVに感染をしても健康な成猫であれば、免疫機構により8割の猫はウイルスが血液中から排除され、発症しないこともあります。ただ、子猫、老猫の場合は高い確率で死に至ります。

猫伝染性腹膜炎

猫伝染性腹膜炎ウィルス(FIPV) が猫の体内で突然変異し、血管に炎症を起こします。炎症が多臓器に及び様々な疾患を引き起こし死に至らしめます。現在は不治の病と言われています。

猫の寿命

猫の寿命は、完全室内飼で15歳程度と言われており、外飼いの猫で10歳程度や野良猫だと5歳未満と言われています。前述した感染症、外敵、栄養環境や交通事故などが寿命が短くなる原因です。

2015年のギネスでは、38歳3日という猫が最長寿となっています。人間の年齢換算で170歳程度です。

猫の習性の特徴

ここでは、猫の特徴的な習性について解説します。

ネコは肉食である為、狩りをすることに特化し進化してきており、最大の武器である、爪を研ぐ行為を行ったりと、特徴的な習性があります。

その中でも、他の哺乳類と比べ長い睡眠や尾と耳を使った独特の感情表現といった特徴もあります。

長い睡眠

ネコの語源が「寝子」であるという説もあるほど、猫の習性の中でも睡眠の長さは有名です。一般的に、14時間~16時間といわれ、イエネコだと20時間を超えることもあると言われています。安心していればいるほど、寝相は人間があおむけで寝るような姿になり無警戒になります。

猫の睡眠が長いのは、ネコ科を含む肉食動物に共通しており、カロリー消費を抑えていると言われています。

尾と耳での感情表現

猫は犬ほど感情の起伏があるように見えませんが、尾と耳で現在の感情を確認することができます。尾は動きが大きいほど興奮している、怒っていることが多く、耳については、マイナスの感情の場合基本的に後ろに伏せることが多いようです。

怒り

尾は横に振る、ぐるぐると回す、床にぶつけることで怒りを表現します。

尾を振っているようにも見え、犬しか飼育経験のない方は間違うこともあります。

威嚇

尾が大きく膨れたかのように毛が逆立ちます。後ろに伏せます。

怯え

尻尾を足の間に巻き込み、挙動不審になります。耳はぴったりと後ろに伏せます。

喜び・親しみ

尾を相手に巻き付け信頼を示します。耳はピンと立っています。機嫌が良い時は尾が立っていることが多いようです。

猫の繁殖(発情・交尾・出産)

猫は、種類・地域にもよるが、概ね春先、夏ごろに発情期を迎えます。メスで半年、オスで8~10ヶ月で発情が始まります。オスがメスと比べ遅れるのは、メスの発情に反応して発情するという猫の特性がある為です。

妊娠期間は60~70日程度で、最大6匹程度の子猫を生みます。メス猫は、授乳中であっても交尾・出産をするため、年最大4回出産が可能で、年2回の出産は珍しくありません。

こうしたことから去勢・避妊をされていない野良猫はとてつもない数が増えていくことになります。このような猫たちは周辺地域に迷惑をかけることもあり、日本では保健所などで処分されることになり、自治体単位で去勢・避妊を推進しています。

また、室内での飼育の場合、メス猫・オス猫共に、日常生活に支障をきたすほどの声やマーキング(尿)が行われてしまうため、現代の日本においては発情前に去勢・避妊することが一般的になっています。