猫種

長毛種メインクーンのサマーカットの注意点 メリットとデメリットとは

暖かい季節が来ると、ペットを心地よく過ごせるようにするためのいろいろな方法が考えられます。特に、長毛の猫であるメインクーンを飼っている人は、暑さが大きな問題になります。そこで考えられるのが、夏に猫の毛を短くする「サマーカット」です。

しかし、メインクーンの長く美しい毛を剃ることについては、色々と心配事もあります。この記事では、メインクーンのサマーカットのメリットやデメリット、注意すべき点を詳しく説明します。サマーカットは本当に猫のためになるのか、それとも問題があるのか。愛猫のために最良の選択をするための情報を提供します。

Contents

メインクーンとサマーカット

1-1 メインクーンの特徴と長い被毛の問題点

メインクーンは、非常に大きく、長い被毛を持つことで知られている猫の品種です。

体重が最大で10kgを超えることもある一方で、鳴き声は小さく、人間に対する友好性が高いという特徴があります。

しかし、この長い被毛は、特に熱い季節には猫自身にとっても飼い主にとってもいくつかの問題を引き起こす可能性があります。

第一に、暑さが増すと、長い被毛は熱を閉じ込め、猫が過熱状態になるリスクを増加させます。

また、長い毛は絡みやすく、絡んだ毛は毛玉になりやすく、皮膚病の原因になる可能性があります。これらの問題を解決する一つの方法として、夏の間に猫の被毛を刈り込む、いわゆる「サマーカット」が考えられます。

猫編集部員
猫編集部員
メインクーンの子猫をみて、かわいくて飼ってみたらものすごい大きくなって、被毛もすごくて手入れが大変。。という話はよくある話ですが、被毛の手間こそがメインクーンの醍醐味とも言えます。サマーカットをするのは悪いこととは言えませんが、本来の魅力を損なう可能性があることを念頭に置いた方がよいでしょう。

1-2 そもそも猫のサマーカットとは何か

猫のサマーカットとは、文字通り夏の間に猫の毛を刈り込むことを指します。

これは、猫が暑さによるストレスや熱中症を避けるため、また絡んだ毛からくる皮膚病のリスクを減らすために行われます。

特に毛量が多く、毛が長い猫種、例えばノルウェイジャンフォレストキャットサイベリアンラグドール、メインクーンにとっては、サマーカットは非常に効果的な手段と言えるでしょう。

サマーカットはプロのトリマーに依頼することが一般的ですが、飼い主自身が行うことも可能です。

ただし、猫の皮膚は非常に薄く敏感なため、刈り込む際には特に注意が必要です。また、全身を刈り込む必要はなく、特に暑さを感じやすい腹部や、絡みやすい部位だけを刈り込むこともあります。

メインクーンにサマーカットが必要なケース

2-1. 暑い気候や高温環境での生活

猫は基本的に暑さに弱い生物で、体温調節が苦手です。特に長毛種のメインクーンは、夏季に暑さに苦しむことがあります。

そのため、飼い主の生活環境が高温である場合、または、エアコンの利用が難しい場合など、猫が暑さを避けるための適切な環境を提供できない場合は、サマーカットを検討することが推奨されます。

2-2. 被毛のメンテナンスの困難さ

メインクーンの長い被毛は、日々の手入れが欠かせません。

ブラッシングを怠ると毛玉ができやすくなり、結果として皮膚病などの健康問題を引き起こす可能性があります。

しかし、忙しい日常の中で適切なケアが難しい、あるいは猫がブラッシングを嫌がる場合などは、サマーカットによりメンテナンスを軽減することも一つの選択肢となるでしょう。

2-3 皮膚炎などのトラブルが起きた場合

皮膚炎などのトラブルが起きた場合、獣医師の判断で患部を含め、被毛を刈り込む必要性があります。塗り薬などを塗るのにもその方が効果的です。

メインクーンにサマーカットをするメリット

3-1. 過度な暑さからの保護

サマーカットは、暑さに弱いメインクーンを過度な暑さから守る効果があります。

被毛が少なくなることで体温調節が容易になり、夏季のストレスを軽減することが期待できます。また、暑さで増える飲水量の増加や食欲不振などの問題も予防する助けになるでしょう。

とくに日本は高温多湿気味になってきており、首都圏や関東から西については、メインクーンにとっては室内の温度を一定にしないとかなり厳しいと言えます。

3-2. 被毛の軽量化と清潔さの維持

サマーカットにより、猫の被毛を軽量化することができます。これにより、特に高齢の猫にとっては動きやすさが向上する可能性があります。

また、長い被毛が絡まることで生じる皮膚トラブルを防ぐとともに、トイレなどで汚れやすい尻尾や後ろ足周りの清潔さも維持しやすくなります。

3-3. 皮膚の通気性と衛生状態の改善

メインクーンをサマーカットにするメリットとして、皮膚の通気性を向上させ、皮膚病の予防に役立ちます。長い被毛があると皮膚の湿度が上がり、皮膚病の原因となる細菌や寄生虫の繁殖につながりやすいのです。

サマーカットを施すことで、皮膚が呼吸しやすくなり、健康状態の維持に寄与します。

暑さ対策としてのサマーカットは猫には必要なのか?

4-1. 猫の体温調節機能と暑さへの適応能力

メインクーンのような長毛種の猫は、一見暑さに弱そうに見えますが、猫は自然の環境下で生きてきた動物で、一定の体温調節能力を持っています。

しかし、室内で生活する猫にとって、自然界のように自由に移動して木陰や物陰に入り温度調節をすることは難しいのが現実です。

4-2. 猫のサマーカットの効果と必要性の考察

猫のサマーカットの効果は個々の猫によります。一部の猫にとっては、被毛の短縮による体温調節の容易さや清潔性の向上は、夏の暑さ対策として有効です。

しかし、全ての猫がサマーカットによるメリットを享受するわけではないため、個々の猫の性格、健康状態、生活環境を考慮した上で、適切な判断を行うことが重要となります。

メインクーンにサマーカットをすることの悪影響・デメリット

5-1. 被毛の保護不足による紫外線や虫刺されのリスク

サマーカットにはデメリットも存在します。その一つが、被毛の保護機能が低下することです。被毛は紫外線から皮膚を守り、虫刺されを防ぐ役割も果たしています。

サマーカットにより被毛が短くなると、これらのリスクが増大します。特に、室外で生活する猫や、日差しが強い場所に頻繁に出入りする猫にとっては注意が必要です。

5-2. 被毛の成長サイクルへの影響

メインクーンの長い被毛は成長サイクルを持っており、そのリズムを維持することで健康な状態を保っています。

サマーカットにより一度に大量の毛をカットすると、その成長サイクルに乱れを生じさせる可能性があります。その結果、再生した毛質が元とは異なる、粗くなったり、色が変わったりする場合があります。

被毛の美しさと猫として最大級の大きさが最大の魅力ですので、被毛カットそのものが魅力を下げるとも言えます。また、カットによる成長サイクルの不良についても、こうした魅力が損なわれると言えます。

5-3. 心理的な影響と対処法

メインクーンに限ったことではなく、猫は敏感な動物であり、外見の変化に対してストレスを感じることがあります。

そのなかでも、メインクーンはプライドが高い猫種であるため、毛量が減少することによって自己認識が変わり、ストレスを感じることもあります。

そのため、サマーカットを行う場合は、猫の反応をよく観察し、安心できる環境を提供することが重要です。

5-4. 体が冷え体調を崩す

サマーカットによって被毛が薄くなると、本来寒さに強いはずのメインクーンが、エアコンなどの冷房によって寒さを感じやすくなることがあります。

特に、体調が優れない猫や高齢の猫は体温調節が難しく、風邪を引いたり体調を崩したりするリスクがあります。適度な室温設定や、冷房の直風を避けるような配慮が必要となります。

猫編集部員
猫編集部員
メインクーンのサマーカットは健康への悪影響も含め結構デメリットも多く、被毛の成長サイクルへの影響については、元に戻るのに時間がかかったり、元のサイクルに戻らないといった取返しがつかないケースもあります。

メインクーンの暑さ対策

6-1. 適切な環境設定とケア方法

メインクーンの暑さ対策として、最も重要なのは適切な環境設定とケア方法です。除湿設定でもよいので28℃程度以下には室温を保ちましょう。

猫が涼しい場所に移動できるようにする、エアコンや扇風機を適切に使う、猫の水分摂取を促すなど、日々の生活習慣の中で対策を講じることが重要です。

6-2. 毛づくろいや水分摂取の促進

メインクーンの毛づくろいは皮膚の健康維持だけでなく、体温調節にも役立っています。

ブラッシングを定期的に行い、皮膚の通気性を保つことで、暑さによるストレスを軽減できます。

また、水分摂取は暑さ対策として特に重要で、水を常に新鮮な状態で提供する、ウェットフードを与える、水の循環装置つきの給水機を利用してもよいでしょう。

6-3. 猫の健康状態と気分のチェック

猫の健康状態や気分を常にチェックし、変化に早めに対応することも重要です。

例えば、食欲がない、元気がない、嘔吐や下痢がある、等の症状があれば獣医に相談することをおすすめします。また、暑さで猫が不快感を感じている場合、その行動を観察し、必要に応じて暑さ対策を見直すことが大切です。猫にも熱中症はありますので、水分量についても気にしておくことが大切です。

対処法の事例

首輪・冷却グッズの使用

首周りを冷やすことで涼しくなるのは、人間も猫も同じです。一方で、そうした冷却首輪を嫌がる可能性もありますので、すくなくとも湿度が上がってくるシーズンでは、冷却マットなどを猫がお気に入りの場所に置いてみて自然に涼しくできるようにするのが大切です。

適切な遊びと運動

健康を保つという意味では、おもちゃやキャットタワーでの運動は必要です。

エアコンや扇風機の注意

除湿運転でもよいので、できるかぎりつけ続けることが必要です。28℃よりも上がらないようにするようにしたほうがよいでしょう。

安全な屋外環境の提供

窓に紫外線カットや遮光カーテンを設置し、日中の部屋が暑くなり過ぎないようにする、日陰を作るなどが大切です。

猫編集部員
猫編集部員
メインクーンに限ったことではありませんが、水分補給、室内での日陰やひんやりグッズは常備しておきましょう。

プロによるメインクーンのサマーカット動画

カットが嫌いなメインクーンを上手にカットする場合の動画です。虎刈などにはせず、長さを調節する程度かつ、すいていく感じでしょうか。このていどであれば猫もショックを受けなくて済むかもしれません。そもそもカットが嫌いなの猫のようですので、すでにショックかもしれませんが(笑)

ライオンカットやあたまだけ残して丸刈りにしてしまうこともありますが、猫が慣れていればよいのかもしれませんが、飼い主本位で実施するのだけは止めましょう。

猫編集部員
猫編集部員
猫に関しては、犬よりもしつけというのが難しい部分がありますので、一定の時間止まったままにさせるサマーカットを自宅でやるのは、実際のところは難しいと言えますので、トリミンググッズをそろえたり、怪我の可能性、かかる時間などを考えるとプロにお願いするのが結果的に安上がりになることも多いです。

メインクーンのサマーカットに関してのまとめ

メインクーンのサマーカットは、暑さ対策や被毛のケアに一定の効果がありますが、必ずしも全ての猫にとって最善の方法とは限りません。

飼い主としては、自身の猫の健康状態、性格、生活環境を考慮して、最善の選択を行うことが重要です。サマーカットを行うかどうかを決める前に、獣医と相談することも考慮に入れてみてください。

7-1. サマーカットの利点と欠点の総括

本記事で解説したように、メインクーンのサマーカットは様々な利点をもたらします。

適切に行われたサマーカットは、過度な暑さから猫を保護し、被毛のメンテナンスを容易にし、皮膚の通気性と衛生状態を改善します。

しかし、一方で、被毛の保護機能が低下し、紫外線や虫刺されのリスクが増えるという欠点も存在します。また、サマーカットによる被毛の成長サイクルへの影響や、猫の心理的な影響も無視できません。

7-2. 個体差や環境に応じた適切な判断の重要性

メインクーンのサマーカットは一概に「良い」または「悪い」とは言えません。

それぞれの猫の体質や性格、生活環境により、適切な対応は大きく変わります。暑さを極端に嫌う猫や、定期的な被毛のメンテナンスが困難な猫にとっては、サマーカットは有益な選択肢となることでしょう。一方、ストレスに弱い猫や、体調を崩しやすい猫にとっては、サマーカットは避けるべきかもしれません。

7-3.個体差や環境に応じた判断を行うためのポイント

  1. 猫の性格と反応:猫がサマーカットやその結果にストレスを感じるかどうかを観察しましょう。一部の猫は、カット後の見た目の変化に驚き、ストレスを感じることがあります
  2. 猫の体調:体調不良の猫や、既に皮膚病などを持つ猫は、サマーカット後に体調を崩すリスクが高まる可能性があります。一方で獣医師の推奨がある場合にはこれに当てはまりません。
  3. 猫の環境:室内飼いの猫で、エアコンや扇風機が常に効いている環境であれば、サマーカットは必要ないかもしれません。一方、高温環境や室外での生活を余儀せざるを得ない猫にとっては、サマーカットは有効な選択肢となり得ます。
  4. 猫の年齢:子猫を除き、若い猫は体温調節能力が高いため、サマーカットの必要性が少ないかもしれません。一方、高齢の猫や体調を崩しやすい猫にとっては、サマーカットは体調管理に役立つ場合があります。
  5. メンテナンスの困難さ:メインクーンの被毛は、定期的なブラッシングやトリミングが必要です。これが困難である場合、サマーカットは有効な解決策となり得ます。一方で個のメンテナンスこそ長毛種の醍醐味といえますので、これが苦になる場合そもそも長毛種以外の猫の方が良い可能性も在ります。
  6. 専門家の意見:獣医師やトリマーの意見を参考にしましょう。彼らは、あなたのメインクーンの体調や特性を理解しており、最適なアドバイスを提供できます。

メインクーンのサマーカットによくある質問 Q&A

Q: メインクーンにとってサマーカットは痛いのですか?

A: 正しく行われれば、サマーカットは猫に痛みを与えるものではありません。しかし、素人のカットでは誤って皮膚を傷つける可能性や、猫によってはカットの過程で不安を感じることがあります。そのため、訓練を受けたプロフェッショナルに依頼することが推奨されます。

Q: サマーカットをした後、被毛は元通りになりますか?

A: サマーカット後の被毛の成長は猫によります。一部の猫では、被毛が以前とは異なるパターンやテクスチャで成長することがあります。大半の猫では時間が経てば被毛は元の状態に戻りますが、そうではないリスクもあることを理解することが大切です。

Q: サマーカット後、猫が寒がることはありますか?

A: サマーカットをした直後は、猫が少し寒がることがあります。

特に室内の冷房が強い場合や、夜間は注意が必要です。ブランケットや暖房器具を用意するなど、適切な対策を講じましょう。

Q: メインクーン以外の長毛種の猫にもサマーカットは適していますか?

A: メインクーンと同様に、他の長毛種の猫にとっても、サマーカットは一つの選択肢となります。

しかし、ここでもその猫の健康状態、生活環境、気候などを考慮する必要があります。それぞれの猫にとって最適なケア方法を選ぶことが重要です。

Q: サマーカットを自分で行うことは可能ですか?

A: メインクーンのサマーカットを自分で行うことは可能ですが、十分な知識と経験がなければおすすめしません。一部の被毛のカットだけ緊急的に行う程度でしたら慣れない方でもできる可能性はありますが、それでも誤ったカット方法は猫を怪我させるリスクがありますし、ストレスを与えてしまう可能性もあります。可能であれば、プロのトリマーや獣医師に依頼することをおすすめします。

Q: メインクーンが暑さに弱いと言われる理由は何ですか?

A: メインクーンは長毛種の猫で、厚いダブルコート(2層の被毛)を持っています。

この被毛は寒さから保護するために役立ちますが、暑い気候下では逆に熱を閉じ込めてしまい、過熱のリスクを高めます。そのため、特に暑い地域や季節では、適切な暑さ対策が必要となります。

それぞれの猫の特性、環境、そして健康状態によって、最適なケア方法は大きく変わります。大切なことは、あなたのメインクーンが快適で、健康的な生活を送れるよう、適切な判断とケアを行うことです。

ABOUT ME
CATn
犬猫大好き、過去飼育した犬猫はすべて保護犬猫。犬の飼育は14年、猫の飼育に関しては25年のキャリア。老犬老猫の介護や子犬・子猫の飼育まで様々な経験あり。ユーザー目線での記事が特長。